有田と、伊藤農園
400年以上の歴史を持つ
みかんの名産地、和歌山有田
みかんの生産量日本一を誇る和歌山。
中でも古くから栽培が行われていた有田は海と山に囲まれており、
その山のほぼすべてがみかん畑です。人が住む平地もみかん畑で、
山と町中にみかん畑が広がる、全国的にも珍しい地域です。
有田の段々畑で、太陽をいっぱい浴びて育つ「紀州有田みかん」は、
みかんのトップブランドとして
たくさんの方々から愛され続けています。
有田でおいしいみかんをつくることができるのは、
みかんづくりに適した土壌と、
400年以上にも渡る先人達による努力があるから。
有田みかんは、黒潮から吹くミネラルを含んだ潮風を受けて育ちます。
紀州の暖かい気候と潮風によって、
他には出せない凝縮されたコクが生まれます。
また、有田のみかん園の7割が傾斜地で、
そのほとんどが石垣階段型のみかん畑です。
江戸時代から先人達が手作業で築き上げた石垣を、
補修しながら今もなお残し続けています。
その理由は、石垣が持つ保温効果、排水効果、
光の反射効果によるもの。
多すぎる水は水っぽい大味のみかんができてしまうため、
石垣の水はけの良さが強いコクと甘みを生み出します。
有田の土壌と、歴史、伝統が、
みかんのおいしさをつくり上げているのです。
みかんの里となったこの地では、
季節ごとにおいしいみかんがたくさん採れるようになりました。
伊藤農園の使命
代表取締役/伊藤 修
長い歴史を誇る有田みかんですが、今、この地は少し元気がありません。畑を守り育てている人達は70代が中心です。少子高齢化と農業離れにより、廃業する農家が年々増加しています。後継者不足により荒れていく農地も多くなり、技術も途絶えようとしています。伊藤農園にも耕作できなくなった農家がみかん畑を預けに来られます。幾世代も続いた段々畑が雑木林になるのを止めたい、そして畑と技術を次の世代につなぐ役目をしたいと年々自社農地を増やし、栽培しています。
地方であるからできること、誰も真似のできないこと…
有田の地にいながら全国、世界に発信できることは何か?
いろいろ考えた末、先ずは先人が苦労して築きあげた有田みかんブランドを大切に使わせてもらおうと思い、平成元年、和歌山有田の地でジュースづくりを始めました。また、形が悪かったり、傷があったりして市場に出ることができず捨てられるみかん…これをなんとか活用したいという思いがあり、果汁だけでつくれる加工品はそれを叶えるのにもぴったりでした。
「大切にしているのは、
和歌山県で育った
果実そのままの
味と香りをお届けすること」
有田みかん本来の味を伝えたいから、和歌山産・無添加・美味しいこと、これは絶対でした。当農園ではもぎたての美味しさをそこなわないよう、果実を半分に切り上からお碗でやさしく押してジュースをつくっています。ひとつひとつ丁寧に手しぼりする作業は昔から変わることのない製法です。化学添加物を一切使用せずに“しぼっただけ”“しぼったまま”だから、美味しさはみかんそのまま。そんなやさしくてまっすぐなジュースづくりをはじめて30年あまりが経ちます。
そんな自慢のジュース「100%ピュアジュース」をはじめ、伊藤農園のゼリーや、マーマレード、ピールなど全ての商品は愛情をたっぷりこめてつくり上げた〝ぴゅあ〟な美味しさに溢れています。本当の無添加ではなかなかつくりにくい商品も、伊藤農園ならではのノウハウでこつこつ創り出し、積み上げてきました。本物であり続けるのは大変ですが、壁が大きく高いほど良い商品が出来上がった時の達成感、嬉しさは格別です。
これからも目先の利益や能率優先、また添加物を入れる便利さに負けずに製品づくりを続けていきます。伝統をまもりつつ、新しいこと、お客様にもっと喜んでいただけるものに目を向け、多くの企業様とお客様に信頼いただける会社であり続けたいと思っています。
そして、自然と土地を守りながら、安心安全な食品づくり、農業で働ける場づくり、みんなが住みたいと思える町づくりを地域の人と一緒に頑張っていこうと願っています。